定期的に行う定型業務が多いインフラ保守業務は、IT化による業務効率化の余地が非常に大きい領域です。私たちの提供するAIによる画像解析技術は、太陽光パネルのような似た形状のものの判別を得意としているため、修理が必要な箇所をピンポイントで把握でき、レポート作成までをすべて自動化できます。
※オルソ画像とは、高さやレンズのゆがみによって生じたひずみを、複数の画像データを組み合わせることで補正したより正確性の高い画像データのこと。
太陽光パネルの一般的な点検のスキームは上図の通りとなります。昨今のドローンの普及や赤外線カメラの小型化により空撮が容易になりましたが、空撮した画像を使ったレポーティング作業はすべて手作業で行う必要がありました。しかし、私たちはAIによる画像解析技術を応用し、太陽光パネル検査からレポーティングまでを自動化するシステム「SPIC」(Solar Panel Inspection report Creation )を開発しました。これにより、上図の手順2~5の大幅な省力化を実現できます。
ドローンによる空撮で撮影した複数の画像データを組み合わせ、高さの違い等によって生じた歪みを補正した、より正確な画像(オルソ画像)を自動で作成します。
また、この作業については作業用のPC内で完結するためインターネットに接続する必要がありません。つまり、電波が安定しない山間部などでもその場でオルソ画像の作成ができる点がクラウド型のサービスにはない強みとなっています。撮影した画像をオフィスに持ち帰ったがうまくオルソ画像が作成ができずに再撮影と言った二度手間を防ぐこともできます。
オルソ画像を元に太陽光パネルへ区画を自動で割り当てます。その情報に更に赤外線カメラで撮影した画像データを組み合わせ、異常が見られる区画を特定します。
区画割りの情報と、異常の有無をすべてexcelファイルとして出力します。すべての情報をexcelデータに置き換えることで、加工もしやすく履歴管理も容易になります。
画像と現実の配置を照合したり、excelでレイアウトを作成したりする作業はこれまで自動化が難しく、最も工数がかかる工程でした。その理由として、AIによる画像解析技術は物体の形状の特徴を捉えて判別するという特性上、似た形状が多い太陽光パネルのような物体の識別や区画の割当と言った作業は困難でした。今回当社が開発したSPICに搭載した画像解析技術は、こうした課題をクリアし、工程の自動化を実現しました。